池原

 

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平成20年の厚生労働省の調査によりますと脳血管疾患(脳出血や脳梗塞)の総患者数は133万9千人。また平成25年厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると平成25年1年間で脳血管疾患で亡くなった人は11万8,347人で死亡原因の9.3パーセントを占めていました。日本人が中年以降にかかる生活習慣病としてはポピュラーな病気の一つです。

脳血管疾患を患いますと後遺症として半身マヒや失語症、高次脳機能障害などが残ることが多く、克服して社会復帰するのは簡単ではありません。多くの場合、中年以降に病気になり、しかもある日突然襲われるため心の準備もなく、手足のマヒなどの物理的な障害を克服する以上に精神的な負担が重くのしかかります。

脳血管障害のリハビリには身体的なリハビリと同時に精神的なリハビリがとても大切です。

ゴルフはスイングしたり、コースを歩くことが身体的なリハビリになると同時に、楽しくプレーしているうちに心も解き放たれます。DGAには片マヒのゴルファーが数多く在籍していますが、始めは半信半疑で参加していた方がゴルフを通じてみるみる元気になり、社会復帰も果たすという例がたくさんあります。

日本片マヒ障害オープンゴルフ選手権」はそんな片マヒのゴルファーをもっと増やし、大会をきっかけに片マヒに対する世間の理解も深めようと2000年に開始しました。「片マヒの部」「障害総合の部」(片マヒ以外の障害者対象)、「ボランティアの部」の3部門で競技を競います。

片マヒは切断や小児まひなどと異なり、体の片半分がマヒで自由にならないため、程度の差こそあれなかなかうまくスイング出来ないのが現実です。しかし、練習によって勢いの良いスイングをして、ある程度の飛距離を出せるゴルファーも出てきました。

この選手権を開始した当時は1ラウンドで100ぐらいのスコアが優勝スコアでしたが、最近では80 台後半や90台前半が優勝スコアとなっています。