ABO杯ドクターズフレンドシップトーナメントin Hokkaido レポート
7月19日(土)、北海道カントリー倶楽部プリンスコースで開催された「ABO杯ドクターズフレンドシップトーナメント in Hokkaido」は無事終了しました。障害者31名、健常者33名が参加。北海道にしては蒸し暑い気候ながら、薄曇りの当日はコースのあちらこちらで障害者ゴルファーと健常者ゴルファーが楽しく、熱く、ラウンドする姿が見られました。
本大会はリハビリテーション医学の第一人者である東京慈恵会医科大学附属病院、リハビリテーション科主任教授診療部長、安保雅博先生が大会会長を務め、医療法人雄心会の協力を得て行う交流試合です(日本障害者ゴルフ協会「DGA」主催)。
昨年6月の第61回リハビリテーション医学学会学術集会内の特別企画として「障害者ゴルフシンポジウム」を実施され、このときのテーマは「障害者ゴルフの普及・啓発~障害見ずして球を見よ~」。ここで多くの方から関心を寄せられたことを機に、バリアフリー社会のさらなる充実のため、また、障害者ゴルフへの理解と地域社会との連携を深めるため、障害者と健常者が対等にプレーできるゴルフ競技としてこの大会が行われました。
アウト1組目は吉田隼人(右大腿切断)、南健司(上肢障害)、大会アンバサダーの亀田愛里プロ、安保雅博大会会長
車いすプレーヤーの斉藤史行選手(中央)、義足の伊東英二選手(左から2人目)とサポートプレーヤーの皆さん。
スタートしていく皆さんをティグラウンド横で見ていると、サポートプレーヤーの皆さんはほとんどが障害者選手の打つドライバーショットにびっくり。感動したり、ビビったり、競争心を見せたりと賑やかなスタートになりました。医学関係のサポートプレーヤーも多かったようで、「とても面倒見が良かった」「楽しいメンバーだった」と障害者プレーヤーの評判は上々でした。
交流大会の部門はグランプリの部(障害者 オフィシャルハンデキャップ15以下)、一般の部(グランプリの部以外の障害者)とサポートプレーヤー(健常者)の部の3部門。グランプリの部はJGAルールに則り、バックティからのスタート、グロス競技。一般の部とサポートプレーヤーの部は新ペリア方式による競技。グランプリの部の入賞者には初の賞金が授与されました。
さて、そのグランプリの部ですが、吉田隼人選手と秋山卓哉選手が76の同スコアでラウンドし、プレーオフになりました。プレーオフはアウト1番 パー5(実際にはイン10番)を勝負がつくまで回るというもの。1回目は両者ともバーディで回り引き分けでした。この時、秋山選手はラウンド後すぐにプレーオフになったためかパターを忘れてきていしまい大騒ぎ。それでもバーディパットをチッパーで決め頑張りました。しかし、2回目は吉田選手が2オン、秋山選手は3オンを狙いましたが、グリーン奥のラフにボールがこぼれ、うまく寄せたもののパー。吉田選手は難なくバーディを決め、吉田選手の優勝が決まりました。
優勝メダル、賞金、賞品を手に嬉しそうな吉田選手です。吉田選手によると「初の賞金が出る大会で結果を残せて嬉しいです。またプロとして賞金を獲得することでモチベーションが上がり、より高みを目指して頑張れるので、この大会が来年、再来年と継続して開催される事を願っています」とのこと。
賞金は3位までの選手に授与されましたが、11人のグランプリの部出場選手には全て賞品が手渡されました。右はプレゼンターの安保雅博先生と亀田愛里プロ。
その他の参加者にも地元産のメロンなどの名産品やゴルフ用品、商品券などたくさんの賞品が用意され、表彰式はとても盛り上がりました。
大会運営にあたっていただいた医療法人雄心会の金子達也専務理事は「大会の準備中には支援者やサポートプレーヤーに大会の趣旨を理解していただくのが大変でした。本当に大会の趣旨を理解していただいた方に参加していただきたかったからです。でも、大会中に皆さんが和気藹々とプレーしている姿や、表彰式で新し人脈ができて楽しそうに交流している様子を見ていると、苦労が報われた気がしました」
障害者ゴルフを一般の人に周知、理解してもらうには障害者と一緒にプレーすることが一番です。今後もこの大会が継続され、日本全国でこんな大会が開催されるといいなあと思います。
大会開催のためにご尽力いただいた安保雅博先生、運営にあたっていただいた医療法人雄心会の皆様、アンバサダーの亀田愛里プロ、サポートプレーヤーの皆様、そして大会開催をご支援いただいた全ての皆様に心よりお礼申し上げます。